ベッドシーンモデル あずさ×優の場合
「ちょっと こっち来て!」
握っていた手を引っ張り、柱の陰にかくれる。


冬馬くんと女子マネの市村さん。
自転車を押して、2人で話しながら歩いてる。


『何なんだよ』
ひょいと 私の後ろに立って、私と同じ方向を見る。


『あのカップルがどーした?』
優が不思議な顔で言う。


(やっぱりカップルに見えるか・・・)


「あの2人つき合ってるのかな・・・」
ガッカリして ポツリと呟いた。
あー、美智に言った方がいいのかな…。
でも、私だったら聞きたくないなー。


押し黙っていると、
『あの男のことが 好きなの?』


好き? 誰が? 私が? 美智が?
ボーとしてたので、言葉の真意をつかめず、俯いて考えてしまった。


『ふ~ん。 まぁ、お前には無理じゃね』
馬鹿にした言い方に カチーンときた。


「何よ! 優だって令ちゃんと無理なんじゃない!?」
冷たく言い放つと


優は困った顔をして、はぁ~とため息をついた。


(はあー!? ため息をつきたいのは こっちなんですケドー)


ブンッと腕を振って、繋いでいた手を振り払った。


「もう、映画も見たしいいでしょ。 食事一人で勝手に食べて!」


私は苛立ちながら自宅へ帰って行った。


全く全く 何なのよ。
私のこと好きな男の子だっているわよ!
・・・きっとどこかに・・・
ふんっ。
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