王様ライオン☆


「え?」
びっくりして思わず聞き返してしまった。
だってあまりにもいきなり喋りかけられるんだもん。


「きょう遅刻したでしょ、って!」
前の席の彼女は机を軽くたたきながら、笑って言う。

「あ、うん」
「入学早々勇気あるね~」
「はははっ」

「ねぇねぇ!」
「ん?」

彼女は満面の笑みでこういった。

「友達になろっ!」


……、いまさら友達になろうなんて言う子を初めて見た。
小学生じゃあるまいし。


「ね? なろっ?」
なにも返答しなかったあたしの顔を覗き込みながら聞かれた。


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