君を待ってた。
入学式はすぐ終わった。

ただ単にぼーっと何かいろいろ考えていたからだろうが。

「りく!教室見に行こうぜ~。」
「あ…平井!」

帰ろうとしていたところを同じ部だった平井に声をかけられた。

「りく…お前、バスケ部はいるのか?」
「あぁ…その予定だよ。推薦できてるし。」
「推薦だったのか!!すげーな!」
「だろ!!」
「調子にのんなやっ!」
「嘘だよ、冗談冗談!」
「わかってるって。」

そんな他愛のない話をしていたらあっという間に3階にいた。
俺は1-D。

「そういえば平井、何組?」
「俺はB組。」
「そっか。俺はD。」
「じゃあ別々だな!」
「そうだな。」
「俺、ひとりで教室みたいから行ってくる!りくの方が早く見終ったら来てよな!」

「了解。」


嬉しそうに平井はニッコリと笑うと教室に駆けていった。
まるで女子のように…。

でもあいつ、女子の前ではかなり無口なんだよな。
どうやら女子が苦手らしい。

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