− 夏色模様 −




うーん……。 今だ、デザート売り場の前から動けないでいる。

そんなあたしに呆れてはいるけど、言葉にしないいっくんは、ゼリーとプリンを見比べている。


「両方カゴに入れな」


「えっ、ダメだよ」


「いいよ、別に。 こうでもしないといつまで経っても決まらねーだろ」


まぁ、ね……。 そうだけどさっ。


「普通、1つでしょ?」


「いいよ、まおが二つでも。 俺、欲しい物とか無かったし、俺の分ってことで買えば問題無い」


いっくんって欲が無いっていうか、なんと言うか……。 こういうときに、買わなかったらもったいない気がする。

でも、いっくんが“買っていい”って言ってくれたから、両方買おうっと!




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