− 夏色模様 −

2日目⇒ 醜い意地悪。





体育館で練習していたら、木下先輩が戻ってきた。


カワイイスマイルを撒き散らしている。


もちろん、木下先輩が帰ってきた――― と言うことは、前田先輩も近くにいる。

俺は、そっと近づいた。


「あっ、木下先輩。 お疲れ様ですっっ!」


前田先輩と桐谷先輩、愛川先輩に、不信そうな視線を向けられている。


たぶん…… 絶対、あの3人は俺が木下先輩に気があるって気づいている。

だから、こそ……。


「木下先輩、今夜。 待ってますから!」


こうやって、言うしかない。


俺の言葉に戸惑っている木下先輩を隠すように、前田先輩が木下先輩の前に立った。


「えーとっ、西村だっけ?」


「はいっ、そうです」


いつもより、低い…… 前田先輩の声が飛んできた。




< 232 / 300 >

この作品をシェア

pagetop