− 夏色模様 −

2日目⇒ 涙…… 嘘、汗。





練習に集中出来るはずもなく…… 何度もミスをした。


だが、時間は流れていくわけで……。


「「ありがとうございましたーー」」


今日の練習が終わった。


「雄飛ー、帰らねーのかー?」


「俺、自主練してから帰る」


なんだか旅館に戻りたくなかったから、一人、体育館で自主練。




ダンッダンッダンッ―――。


むなしくボールの弾ける音が響く。


いくらゴールに向けてボールを放っても、一球も入ることが無い。


「――― ったく」


なんなんだよっ。 自分がやったことなのに。

もう、戻らないなのっ。


「くそっっ―――」


ダンッと強く拳で壁を叩いた。


もう、あの笑顔を俺に向けてくれることは無い。

木下先輩は、俺を見るたんび目を反らすのだろうか?


壁に背を預け、ズルズル座り込む。




< 236 / 300 >

この作品をシェア

pagetop