− 夏色模様 −

1日目⇒ 優ちゃん?





陽太くんと優ちゃんが立っている場所に向かういっくんの背中を見送って、あたしは自分の仕事に取り掛かる。


「優ちゃーん、終わったよー」


「んっ、ご苦労様」


「あとは?」


「ちょっと、休憩していいよ」


優ちゃんは、それだけ言って、体育館から出ていった。


…… 優ちゃん?

なにかあったのかな?


様子がおかしい……。


多少、優ちゃんの様子が気になりつつも……。

目の前で繰り広げられている練習に目を移す。


陽太くんが1年生で、いっくんが2年生を主として教えている。




「木下さん」


「あっ! 平本先生」


「休憩ですか?」


ジャージ姿の平本先生が体育館にやってきた。

旅館の人と、少し用事があったから、少し遅れてきたみたいだったから……。


「今は、いっくん……」


口元を手で押さえた。

そして、言い直す。


「 前田くんと桐谷くんで別れて教えているみたいです」




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