夜獣3-Sleeping Land-
渚は口元に手を当てて、考える。
「少し調べたのですが、彼の目的のためにあなたが動いているというのであれば、あなたがどうすべきかは分かりますね?」
追い討ちとばかりにデザイアは畳み掛ける。
「分かりました」
渚は静かに僕を地面へと降ろし、頭を下げる。
「一つだけ聞かせていただいてよろしいでしょうか?」
「何ですか?」
「星を見つけたという報告をするのであれば、自分で報告したほうがいいのではないのですか?」
「それはあなたに譲りますよ。あなたを本国へ送り返すと、喜ぶお方もいますからね」
口元を吊り上げた笑いにこめられた物は良い意味ではない。
僕は、止めろと言いたかった。
だが、何もいえない。
「東のほうに、宇宙船を止めています。起動は私にしか出来ませんので、先に行ってて下さい」
最後と言わんばかりに渚は僕と相場を見る。
「渚、本当に行ってしまうのか?」
「相場さんには私のわがままに付き合わせてばかりで、ごめんなさい」
相場に頭を下げる。
「私は渚に育てられた恩がある。その恩はまだ返せてないんだ。だから、渚が謝る事じゃない」
「ありがとうございます」
そして、僕の前へ再び座る。
「耕一さん、あなたには本当に感謝してます」
僕の固まった手に優しく手を添えた。
「あなたを求めるあまり、自分を偽った私に対しても優しくしてくれました」
僕は、渚を利用していたに過ぎない。
僕には、優しいなどという言葉が似合わないし、本当は恨まれるのが正しいはずだ。
「あなたには、あなたのやるべき事がある。それを、忘れないで下さい」
笑みを浮かべた渚は立ち上がり背を向けて歩き出した。
「少し調べたのですが、彼の目的のためにあなたが動いているというのであれば、あなたがどうすべきかは分かりますね?」
追い討ちとばかりにデザイアは畳み掛ける。
「分かりました」
渚は静かに僕を地面へと降ろし、頭を下げる。
「一つだけ聞かせていただいてよろしいでしょうか?」
「何ですか?」
「星を見つけたという報告をするのであれば、自分で報告したほうがいいのではないのですか?」
「それはあなたに譲りますよ。あなたを本国へ送り返すと、喜ぶお方もいますからね」
口元を吊り上げた笑いにこめられた物は良い意味ではない。
僕は、止めろと言いたかった。
だが、何もいえない。
「東のほうに、宇宙船を止めています。起動は私にしか出来ませんので、先に行ってて下さい」
最後と言わんばかりに渚は僕と相場を見る。
「渚、本当に行ってしまうのか?」
「相場さんには私のわがままに付き合わせてばかりで、ごめんなさい」
相場に頭を下げる。
「私は渚に育てられた恩がある。その恩はまだ返せてないんだ。だから、渚が謝る事じゃない」
「ありがとうございます」
そして、僕の前へ再び座る。
「耕一さん、あなたには本当に感謝してます」
僕の固まった手に優しく手を添えた。
「あなたを求めるあまり、自分を偽った私に対しても優しくしてくれました」
僕は、渚を利用していたに過ぎない。
僕には、優しいなどという言葉が似合わないし、本当は恨まれるのが正しいはずだ。
「あなたには、あなたのやるべき事がある。それを、忘れないで下さい」
笑みを浮かべた渚は立ち上がり背を向けて歩き出した。