くるきら万華鏡
「アイツラの仕返しが怖かった。俺がやられる分には、なんも問題ないんだけどね。」


 有坂くんが、そう、呟いて、無意識に、私の足の運びがスローになって、有坂くんが少し前を歩く。


 そっか… 有坂くんは、奈緒や丸山くんや、自分の周りの人たちに仕返しがいくのが『怖かった』んだ。


「カッコいい。」


 思わず口から本心を漏らしてしいた。


 恐る恐る有坂くんの反応を窺うと、大して気に留める様子もなく、


「昨日兄貴にも、なんかそんな事言われて慰められたわ。そういう励まし方、今流行ってんの?」


 私の方を見ていない有坂くんは、遅れて歩く私に尋ねるでもなく、独り言のようにそう言った。


 有坂くんは、自分がどれほど魅力的か、全く自覚していないんだ。


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