くるきら万華鏡
「イケメン店員ばかりって噂、ホントだったんだぁ。約一名を除いて…」


 アルコールが回って、思考がうまく働かない私は、そんなことを口走っていた。


「その約一名って、俺?」


 丸山くんが申し訳なさげに聞く。


「まさかぁ! あいつだよ、あ・い・つ」


 そう言って私は、テーブル席のOL風の女性たちと、楽しそうにおしゃべりしている皆人くんへと視線をやった。


「多恵ちゃん、相当怒ってんなぁ。」


 丸山くんが苦笑する。


 その時、皆人くんがジーンズの後ポケットから携帯電話を取り出し、女性の一人と赤外線通信なんぞし始めた。


 無性に腹が立った私は、重い体を持ち上げ、フラフラとそのテーブル席に向かって近づいた。


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