舞姫〜貧乏バレリーナのシンデレラストーリー〜
「バイト、やめよっかなー…」


「でも結構きついでしょ?」


レッスンを終えて、いつものように駅までの道のりをてっちゃんと歩いていた。


「うん…実は、あの後カズさんが、『うちに下宿するか?』って言ってくれたんだよ」


「え…?カズさんちに?」


「まあ、あの豪邸なら、部屋のひとつやふたつあるだろうから、考えますって言ったんだけど」


「そっか…」


カズさん、やっぱりてっちゃんが金銭面で困ってること知ってたんだ。


やっぱり、家賃はバカにならないし、てっちゃんは家に仕送りもしていると言っていたから、カズさんの家に住まわせてもらったら相当助かるんじゃないかな。

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