=寝ても覚めても=【完】

憔悴しきった表情に、何かあったのは一目瞭然であった。


驚いている仁科を睨むように見て、浩毅は有無を言わせぬ強い調子で言った。


「兄と話しがあるんです・・・外して、下さい・・・・」


言われなくてもそうする予定だった。

仁科はどちらに向かうでもなく軽く頭を下げ、入口の扉をそっと閉めた。



明日の朝、主がこの部屋にいるのかどうかがとても気になった。


< 50 / 102 >

この作品をシェア

pagetop