神隠し
やがて疑惑は悪心を呼び起こし、主人が遠出している時、ついに家の者は少年を手にかけようとした。

しかし―逆に家の者が、皆殺しにあった。



「…そこまではアタシも知っているわ。でもその少年は…」

―うん、行方不明になったって言われているね。でも大事なこと1つ、忘れていない?

―大事なこと?

―ああ。その少年の母親が、巫女だったってことだ。

巫女…そう言えば、説明された中にそんな風な言葉があったっけ。

「でもそのことと、少年のことがどう関係するの?」

―この地域の神様ってちょっと変わっててね。この町にお寺や神社がないこと、知ってた?

「えっええ。看板も見当たらなかったわね」

―それはこの町に、寺や神社が必要ないってことだ。

「でも少年のお母さんは、神様に仕えていたんでしょう?」

―…まあそこがちょっと複雑なところでさ。

少年達の説明は続く。

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