俺カゴサイドストーリー
人生に必要なモノは両手に収まる
【アスカ】



あたしの彼氏は超お金持ち。



好きなものは何でも買ってくれるし、何でも与えてくれる。



「誰か待ってるの?」

「…………」

「彼氏にドタキャンされたから遊び行かない?」

「俺の視界から消えて?超…ウゼェから」



ニッコリ笑ってナンパ相手にそう言う中性的な顔をした男。



それがあたしの彼氏、虎宇(コウ)。



嫌いなもの、女と父親。



好きなものは妹とあたしと友達。



好き嫌いがはっきりしてて、自分に必要のないものは寄せ付けない。



「ごめん、バイト長引いた」

「アスカが遅いからナンパされただろ…」

「うん、ごめん」



差し出された手を握り、目的の場所まで歩き出す。



あたしは虎宇が大好きで、虎宇しか欲しくない。



虎宇がたまらなく大好き。



「デート久しぶりだね」

「うん」

「えへへっ!!嬉しい」

「やっぱりやめよ。アスカの部屋行く」

「えっ!?」

「デート、次にする」



虎宇は気分屋です。


< 1 / 80 >

この作品をシェア

pagetop