ノイズ
「真理とたかしくん、結婚するんだって〜」



「真理ちゃんいいなぁー。たかしくん、勉強も運動もできるからうらやましいよ」



今度は裕美が「こっくりさん」に質問をした。


「じゃあ、次はあたしが聞くね。校長先生はカツラですか?」



裕美と春香と真理がクスクス笑った。


十円硬貨は再び動き始め、はい、の文字の上で止まった。


「ほら、やっぱりカツラだったんだぁ〜」



子供らしいたわいのない質問が何度も繰り返される。


「こっくりさん」でこんなに盛り上がるなんて、可奈には到底信じられなかった。


みんなには見えないの?


最初は優しそうな顔をしたおばあさんと、工事現場にいるような恰好をしたおじさんしかいなかったけど。


みんなが質問をする度に、霊はどんどん集まってきて。


放課後の教室は沢山の霊によって埋め尽くされ、足の踏み場もない程だった。
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