レンタル彼氏



―――



「佳乃、何にする?」



慎吾と近くのイタリアンレストランに来ていた。



『ん〜迷うなあ。』



「ははっ。ゆっくり決めていーよ。」





結局一番人気のエビと野菜のトマトパスタにした。


こうして二人で外食なんてのは、今までなかったかも。





『慎吾疲れてないの?』


「ん?俺、あんま撮影って疲れないんだよな。」



『へー!すごいね。』



「帰って佳乃とデートだと思ったら、余計に疲れなんて感じなかったよ。」



冗談まじりに笑って慎吾は言う。



またまた、
慎吾は言葉のひとつひとつが上手いんだから。







運ばれてきたパスタは
空腹の私たちにはとびっきりの色合いと香りだった。




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