レンタル彼氏


――バイト終わり


『ん〜つかれたー!』


誰もいないバックルームで背伸びする。





「ははっ、お疲れさん。」


え!!!!



振り向くと、まだエプロン姿の道長くんがいた。




み…………みられた。

一人で背伸びしてるとこ。


「驚いたよ〜まさか佳乃ちゃんがうちのバイトにくるなんてさ。」




『あの〜、なんで私のこと…』



「毎日慎吾が話してるから。」


え、話してるって私の…?………なにを!?




「俺さ、高校んときモデルのバイトしててさ。慎吾にバイト紹介したの、俺なんだよ。」



『そうだったんだあ!』


「慎吾はどんどん仕事こなして今は本格的にやってるっしょ?
俺は、他にも色々やりたいことあるし遊びたいから大学入る前にやめたんだけど…」




道長くんは

本当に慎吾とは系統の違うイケメンで、

硬派というか…
黒縁メガネとかアーガイルのカーデとか、そういうのが似合いそうだなって思った。




ほんの少しだけ癖のある黒髪は

誠実っぽさを引き出している。





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