レンタル彼氏


「よかったあ!
知り合いの人に会えて!
慎吾くんの事務所は
うちからちょっと遠いからそこまで届けに行くとこでした。」



可愛いだけじゃなくて
感じの良い子だった…。



慎吾は
この子の部屋にいたんだ…



「泉美ちゃーん、
次の撮影あるからもう行くよ!」



近くに止まってあった車の窓から
マネージャーらしき人がこっちへ叫んだ。


泉美ちゃん………?




「はーい!

じゃ、お願いします!
ありがとうございました!」




嬉しそうに頭を下げ
車へ戻っていった彼女は


きっと、

昨日慎吾に電話もメールもしてた……




きっと‘岡地 泉美’ちゃん。




現役高校生

若さ溢れる真っ白な肌と

チェック柄の制服のスカートから出る細長い脚。




私だって最近までは
高校生だったのに、

なんか違う気がした…。





ただの仕事仲間?

違うよね、

部屋まで行って…


わざわざ財布届けにきて…




拓也くんとの本屋での会話が蘇った。



何もないにしても

きっと…




彼女は慎吾に好意を抱いてるんじゃないかなって、

そんな気がした。





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