an alley cat
猫ときどき雨
「にゃぁ」




―“おはよう”







私の一日は、この一言から始まる。


大きな川に架かる橋を、毎朝通るある人に挨拶する。



「お、クロ!今日も元気か?」



そう言って、私の頭を少し乱暴に撫でるのは、

―宮月 冬真(みやづき とうま)くん。


明るい茶髪に、耳にはピアスが2つ。


176センチの長身。



外見はチャラチャラして見えますが、すっごく優しい男の子。



冬真くんは現在高校3年生。


と言っても、今日から新学期が始まるみたい。




「クロー今日から3年生だって、どうしよう俺」




何が「どうしよう」なのかは分からないけど、私は1つ声を出して、冬真くんの足に体を摺り寄せた。




「ぎゃー!何だお前!可愛すぎんだろっ!」



冬真くんはそう言って、私の頭をぐりぐりと撫でた。





「冬真ぁ!」




遠くで声が聞こえた。




「ん?」



冬真くんと私が声のする方に顔を向けると、


市瀬 龍斗(いちのせ りゅうと)くんが息を切らしてこちらへと走ってきた。





龍斗くんは冬真くんの幼馴染。




龍斗くんのお父さんは獣医さん。


以前私も診てもらった事がある。



龍斗くんは冬真くんと同様長身。


黒髪、制服は冬真くんとは反対に、しっかりと着ている。

外見は、「真面目っぽい」と言ったところかな?





そんな2人を見上げていると、結構面白い。

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