君に届ける最後の手紙
――シャコシャコシャコシャコシャコシャコシャコシャコ……


「はぁ……はぁ……はぁ……」


チャリンコを漕ぎ始めて1時間程立つと、都会の喧騒も消えてなくなり、街灯も少なくなってくる。


……なんか、この感じは懐かしい。


そう。ちょうど一年くらい前にアイと出会った時も、こんな感じだった。


俺が彼女をオバケと勘違いし……カマではない鎌オヤジに遭遇……つい最近の事の様に思い出され……


……てはいけない。


「むぅ……イカンイカン!」


男とは所詮こんなものだ。女の様にスパッとは振り切れず、やはりどこかで後悔する。


しかし、そんな事を言ってる場合じゃない。


俺は恋人のアイではなく、友達のアサミを選んだんだろ?


……そうだ。アサミを選んだんだ。


なら急げ。


シャコシャコシャコシャコシャコシャコシャコシャコ……


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