lose faith





『今日は…一人で行きたかったのに‥』


母親の耶音がゆっくりと波音の側に行くと


『波音‥今日はパパの車で送って貰いなさい』


『でも…』


『あのねっ‥今日のあなたは心此処に在らずで、危なっかしいのぉ…だからバパは心配して言ってくれてるのよぉ〜大切な試験日なんだからっ‥ねっ』

『はい‥』


『もぉ〜なにその気の無い返事‥』


『そんな事ない‥』


『フフッ‥ほらーこれから大事な試験なんだからっ笑顔』


そっと波音を抱きしめる


『ねぇ波音‥貴方は漣さんと私の自慢の娘なんから自信を持って行ってらっしゃい』

抱きしめられた腕が解かれると満面の笑みで見つめられ


『ハイ‥行ってきます』





パパの秘書である高藤さんの運転で会社の近くまで送ってもらった


会社の前に着くとビルを見上げ大きく深呼吸をした

ゆっくりと入口に足を進め予め知らされていた試験会場に向かった



『まだ莉奈来てないかぁ‥』


落ち着かない波音はRestRoomに行った


鏡の自分に向かって

『大丈夫‥私ならできる』
バチバチっと頬を叩き気合いを入れてRestRoomを出た
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