lose faith


波音の変化に気付いた担当医が、何気なく話しを聞くと‥意外にも素直に思っている事や不眠・幻聴の事などを話してくれた。



ただ‥話し終ると必死になって家族には知られたくないと訴えてくる‥


だから、医師には守秘義務があるから患者の家族で在っても話したりはしないと約束すると言って波音を落ち着かせた。



直ぐに薬が処方されその日の夜は一度も目覚める事なく朝まで眠れた…


波音は眠れた事と薬が有ると云う安心感からなのか、あれから精神的に安定して穏やかに過ごせている。




波音が入院してから間もなく一月が経とうとする頃に担当医から退院の許可がでた。


波音に必要なのは心のcare…環境が変わり気分も変われば必然的に薬に頼らなくても済むようになるから‥ただし、何か有ったら我慢したり、隠したりせずに医師で在る僕に頼る事‥週に一度必ず通院する事を約束出来るならと云う条件付きで…



その条件をのんで波音は、晴れて退院の運びとなった。
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