Iの漂流戦士
┗存在、意味
『あれ?君もしかして…漂流戦士の高木功君?』
振り返ると50歳ぐらいの男が立っていた
紺色の制服を身にまとい、それを見た瞬間ドキンッと高木功の心臓が跳ね上がる
何故ならその男は紛れもない警察官だったからだ
こんなに人が溢れていたら、安全の為に警察官が居る事は何にもおかしい事じゃない
ただ、話しかけられるとは思っていなかった
『実は漂流戦士の大ファンでね…』
男が笑顔を見せた
高木功はこうゆう時こそ平常心だと思い、ニコッと作り笑顔を作った
『そうなんですか、ありがとうございます』
そう言いながら、さりげなくナノハよりも前に出て自分の背中でナノハを隠した
ナノハは警察官に背を向けており、振り向かなければバレる事はないはず
『こんな所で会えるとは…ってどうして制服なんだい?今日は休日だろう?』
早くこの場を去りたいのに話を広げようとする警察官
高木功の中で普段演じている優等生のスイッチを入れた
『実は学校で環境問題の授業をしていまして…何かの参考になればと思いここに来たんですよ。月曜日にレポートを提出しなければいけないので。
運良くここの市町さんにでも会えればと思って制服で来たんですが…この混みようなので……』