Iの漂流戦士





後ろに居る少年はコンクリートの上にあぐらをかき、まるで見物客のようにリラックスしていた



『いつから居たの?今日は暇そうだね』

少女はクスリと笑い、手すりを乗り越え安全な所に戻った


『ここに来ればいい物が見えるぞって風が教えてくれたんだ』


風は今も少女のスカートをもてあそんでいる

少女はスカートを押さえるどころか興味は別の方向へと向いた


『風と喋れるの?いいな。今度私にも話し方を教えて』


風に靡く(なびく)金色の髪から見える目は淡い青色

少女は西洋の血が流れたハーフだった


誰もが羨む綺麗な顔に今夜、血の雨が降る

そして惨劇の火種は風によって大きくなり、


今宵第二の悲劇が幕を開ける




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