Iの漂流戦士

┗戦々、恐々





---------------------------------------
--------------------------

--------------




朝のホームルーム

ザワザワとした教室に担任の倉木の声が響き渡る


出席簿片手に生徒達の名前を呼ぶが、返事の返ってこない生徒が一人


『修!枝波修!!』


みんな一斉に日の当たる窓際の一番後ろの席に注目した


そこには寝息をたててスヤスヤと眠る修の姿


隣の席の生徒が修の体を揺するが、修は目覚めない


倉木は『はぁ…』とため息をつき、呆れた顔をしていた



このクラスの担任になって半年

長年この学校で教師をしている倉木は毎年1年生を受け持つ事が多かった



今のクラスは1年4組

これといって問題児も居なければ、目立つ生徒も居ない


そんな中で唯一、気になる生徒が居るとすれば先ほどの寝ていた人物


“枝波修”


髪は黒髪だし、ピアスだって開いてない

友達も多い方だし、どちらかと言えばみんなの中心に居るような存在


成績も普通だし、遅刻も欠席もない


だけど唯一の欠点をあげるとしたら、いつも学校に着くなり寝ている事


それは授業中も同じで、ひどい時には放課後まで寝ていた事もある


思春期は眠いものだし、授業中寝ている生徒は修だけじゃないけれど、

修の場合は少し異常なほどだった







< 296 / 526 >

この作品をシェア

pagetop