Iの漂流戦士
虚空、命





次の日の学校、修は珍しく眠くならなかった


あれから倉木の家に行き、修はすぐに眠りについた。修にとって久しぶりの暖かい布団


そして学校まで車で送ってもらい、今に至る



『----------------枝波 修』


朝のホームルーム、倉木が出席簿を見ながら名前を呼んだ


『………はい』


倉木はあの後、家に着いても修に何かを聞く事はなかった


修の嘘を信じていたのかは分からないが、怒りもしないその態度に少し違和感を感じていた


でもそんな事より、修には気掛かりな事がある


それは“今日”の事


学校が終わった後、どこに行こうか考えていた。もう所持金はないし殿町に行く事さえ出来ない


…………………考えた末に、修はある事を思い付いた




『あれ?枝波は?』


四時限目の授業が終わり、倉木は修を探していた



『枝波君なら早退しましたけど?』


『は?早退?』


確かに教室に修のカバンはない


後で確認すると修は無断ではなく、ちゃんと保健の先生に許可をもらっていたようだ



--------------修が早退をした理由。

それは………………





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