Iの漂流戦士




少し置いてきぼりになってしまったナノハは用意されたジュースを一口飲んだ


“ナノハは私達とは違うんだから"


何故かその言葉が気になった。別に深い意味はないしただの話の流れ

確かにナノハは箱入り娘かもしれない

大事に育てられたし、マナーとか行儀とか習い事には一際厳しかった


今じゃ両親と話す時間はないけど、昔は年に一度海外旅行に行っていたし綺麗なドレスを来て父親が参加するパーティーにだって行った事がある


会う人はみんな可愛いねって言ってくれた

将来は美人になるねって誉められた

裕福で羨ましいと何度も小さい頃から言われ続けた


--------------だけど。


可愛いから靴を隠された
美人だから遊びに誘われなかった

裕福で幸せな家庭だったからいじめられてると言えなかった


だからこそ、高校で出来た桜を大事にしたいし対等でありたいのに

ナノハは私達とは違う。そう言われただけで傷ついてしまうのはやっぱり恵まれて育ったからだろうか



『ナノハちゃん?どうした?つまらない?』


ボーッとしているナノハを見て声をかけたのは洋太だった

慌てて我に返ると隣に桜は居なくて、違う友達の輪の中にいた



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