そして優しい嘘を言葉に

~3月14日・ホワイトデー~

みんなが帰って来て、登先輩のケガも大した事がないのが分かり、涼の体調も回復したので、最後の夕食は賑やかだった。

前日夜更かししたり、1日スキー場に居たりしていたので、みんな2日目の夜は早めに寝ると言って、22時頃には全員部屋へ戻っていた。



翌日帰るので、帰る準備をいろいろとして、私と弥生ちゃんは23時30分にはベッドに横になった。



弥生ちゃんに話さなくちゃいけない。

涼の事。



「弥生ちゃん」

サイドテーブルの淡い光で照らされている弥生ちゃんの顔を見て、声を掛けた。



「ん? 何?」

「あのね……涼と私の事なんだけど」

「……大丈夫、誰にも言わないよ」



えっ?

まだ何も言っていないのに、弥生ちゃんは笑ってそう言ってから、私を見た。


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