君=月&海 〜貴方はそんな人でした〜
「ネクタイの色でわかるだろ。
そんなことも知らないで、この学校はいったのかよ。」


そうなんだ。でも私には関係がない。


「へぇー。で、貴方は何年生?」


男は呆れたように顔をあげて"二年。本当は三年だけど留年した"とだけ言った。



「一年なら早く行った方がよくない?」


「あっ、行く。教えてくれてありがと。じゃあね。」


これ以上遅刻することは出来ないので、男に別れを告げ、体育館に急いだ。



「一年の狭山宇美ねぇ。ニヤッ」


だから、この男の独り言を聞いてはいなかった。





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