年下の幼なじみ【完】
「えっと、今日は先に帰ってて」
“は?なんで?”
翔のトーンが低くなった。
何て言えばいいのかな
ホントのことを話したほうがいいの?
でも、告白されたって言うのもな…
「─…ちょっと、用事が出来ちゃって…」
あたしは、嘘をついてしまった─…
“用事?何の用事?”
ばれずに済んだ─…?
「…委員会の集まりがあるんだ」
追求してくる翔に、冷や汗が出てくる。
「ふぅん、分かった」
翔は、信じてくれてるのに
あたしは嘘をついたんだ。
そのことに
─…胸がチクンと痛んだ。