遙か彼方
エピローグ


「葵、もうどこにも行かない?」

「うん。行かないよ」

「私の傍にずっといてね」

「うん。ずっといるよ」

「大好きだよ」

「僕も。大好きだよ」




あの夏の出来事は、私の人生を変えた。


変えたのはお父さんでもお母さんでもない。

もちろん佐山さんでもないし、葵でもない。


紛れもなく“私自身”だ。




「コラー!滝沢ー!教室に戻りなさーい!!」


あ、忘れてた。


校舎に振り向けば先生が窓から身を乗り出して怒っていて、窓際にはクラスメートがズラーッと張り付いてみんなニヤニヤしてこっちを見ていた。


「に、逃げよう!」

「え?美桜?」


私は彼の手を取って走り出した。


「コラー!どこ行くー!」




これからの私の人生はどうなるかは分からない。

未来は誰にも分からない。


でも1つだけ分かっていることがある。

それは────。




“遙か彼方”の星から現れた彼が

今は私の“隣”にいる。







おわり






< 203 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop