あのころ、グラフィティ
そこには7人の子供が写ってた。


「この真ん中に写ってるのがマコくんよ。」


みんなに囲まれて花束を持っている小さい頃の自分。


「今の自分と似てるでしょ。」


似てるかどうかはわかんないけど、それが自分だってことはわかる。
目の辺りが一緒だ。


「マコくん、この後泣いちゃってね。優子、連れて行くのがかわいそうなんて言って、電車に間に合わなくなりそうだったんだから。」


疑問が一つ。
優子さんとの関係はなんなんだろう。


「あの。...多香子さんと優子さんはどんな関係なんですか?」

「あー、言ってなかったよね。優子は、あたしの妹。...マコくんをここまで連れてきたのは、あたしの母親。...それでさっきのおチビ、悠太はあたしの息子の子供。仕事の間、預かってるの。...そうだよね、ごめんね。説明しなきゃわからないことなのに...」

「いえ、そんな、、僕が悪いんですから。」


思い出せない自分が悪いんだ。


「そんなこと言わないで。わからないことあったら何でも言って、あたしがわかることなら教えるから。」

「...はい、ありがとうございます。」


お茶を飲んだ。


「部屋、案内するわね。」

< 4 / 77 >

この作品をシェア

pagetop