あのころ、グラフィティ
そのとき聞こえた聞き覚えのある声。


「いやーまいったね~、、一生童貞くん!」


この声は、オレの双子の弟の福だ。



「...なんなの。」

「女の恨みは怖いよー。あの、先輩に何されるかわかんねーぞ。」


笑みを浮かべた顔は、オレをバカにしてるみたいに見えた。


「おまえに関係ない。あっちいけ。」

「関係あるだろー。兄弟なんだから。」

「...あっそ。じゃ、その兄弟に一言。おまえ、オレの上履きにガム入れたろ。」

「...バレた?ガム捨てようと思ったら、ちょうどいいゴミ箱あったから捨てたんだけど、まさかキミの上履きだったとわ。」


上履きがゴミ箱?
アホか、こいつは。


「すまんねー。よく見もしないで。」

「ほんと、今度から間違えないようにね。...あ、そういえば、、おまえにチョコあげようと思って、外履きに裸のまま入れといた。でも、今ごろ溶けてるかなぁ、今日暑いし。」

「はっ!?!?なっ!?おまえっ...何してくれんだよー。」

「やったらやり返すんだろ?前に言ってたじゃん。」

「それはオレの場合!!ったく、何してんだよ...チョコなんて、、チョコかぁ~ガムよりたち悪いじゃん!最悪...」

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