CAPTORS
「これは、雪月と言ってな。だいぶ昔に絶滅しちまった花の一つだ。俺も……記録の中でしか見たことなかったものだからな。細かいところまでお前に伝えられてねぇと思うから気にすんな」

「……それなら……よかった、です」

ソファーにもたれ掛かったまま希螺の口元にも笑みが浮かんだ。

しかし、おかしい。

希螺は自分の手をじっと見つめる。

記憶にないものを創ったのはこれが初めてであるせいか、無理な力の使い方をした覚えはないのに疲労が激しい。

どうしてこんなに疲れているんだろう。

今まで、力を使いすぎて体力が尽きてしまうことはあったが、感覚的に違う気がした。

なにか頭にもやがかかったように考えがまとまらない。

「おい、大丈夫か?無理させちまったか?」

彩十が希螺の顔をのぞき込んだ。

「……大丈夫……でーーっ!?」

心配させてしまうと笑顔を作り、立ち上がった瞬間、希螺は激しい頭痛に襲われた。

余りに突然なことで声も出すこともできずにその場に崩れ落ちる。

< 122 / 133 >

この作品をシェア

pagetop