告白×黒白×酷薄
1
前橋圭吾は私の視線から逃げるように下を向いた。
それが私を一層苛立たせると分かってやっているのだろうか。
そう疑わずにはいられないほど、私は彼に飽き飽きしていた。
どんな答えを返してくれるだろう――しかし私の気持ちは決まっていた。
決まっているつもりだ。
惹かれたことはない。
ときめいた瞬間は皆無。
思えば二人きりのときに感じていたのはおなざりな同情、憐憫、ストレス。
それでも今までこんな関係を続けてきたのは私の失策だった。
失態だ。後悔はとめどなく、ため息は止まらない。自分に腹が立つ。
少しの期待を寄せたこともあった。しかしそんなときに前橋が告げた言葉は、
「待って、もう少し待って」
そのときの私に会って助言してあげたい。
待てど暮らせど進展はない。それは、耳障りのいい甘言だと。
だけど、そのときの私にはとても甘美な響きで心に引っかかった。
それはするりと根を下ろして私の心を戒めた。
その言葉に期待した。
そして確信した。
納得もした。
純粋に嬉しかった。
そして、答えを焦った自分を恥じた。
だから今まで待った。
しかし蓋を開けてみればどうだ。
どこかへ出かけはするものの、行った先でのんびり遊び、いまひとつ盛り上がらない車内にうんざりして、心身ともにぐったりするだけ。
そんな関係に嫌気がさしていた――それでも誘いを断れなかったのは、私の心が弱かったからだ。
それが状況を悪化させていたと気づいたとき、私は愕然とした。
それが私を一層苛立たせると分かってやっているのだろうか。
そう疑わずにはいられないほど、私は彼に飽き飽きしていた。
どんな答えを返してくれるだろう――しかし私の気持ちは決まっていた。
決まっているつもりだ。
惹かれたことはない。
ときめいた瞬間は皆無。
思えば二人きりのときに感じていたのはおなざりな同情、憐憫、ストレス。
それでも今までこんな関係を続けてきたのは私の失策だった。
失態だ。後悔はとめどなく、ため息は止まらない。自分に腹が立つ。
少しの期待を寄せたこともあった。しかしそんなときに前橋が告げた言葉は、
「待って、もう少し待って」
そのときの私に会って助言してあげたい。
待てど暮らせど進展はない。それは、耳障りのいい甘言だと。
だけど、そのときの私にはとても甘美な響きで心に引っかかった。
それはするりと根を下ろして私の心を戒めた。
その言葉に期待した。
そして確信した。
納得もした。
純粋に嬉しかった。
そして、答えを焦った自分を恥じた。
だから今まで待った。
しかし蓋を開けてみればどうだ。
どこかへ出かけはするものの、行った先でのんびり遊び、いまひとつ盛り上がらない車内にうんざりして、心身ともにぐったりするだけ。
そんな関係に嫌気がさしていた――それでも誘いを断れなかったのは、私の心が弱かったからだ。
それが状況を悪化させていたと気づいたとき、私は愕然とした。
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