フェンス
『ウイルスでは…初期化してる間に回線を通ってバックアップも破壊するつもりだったが…お前は自分の足でそれも壊しに行かなきゃならない。
帰れる保障は20%ぐらいだ。
それでも…いくのか?』
『うん。それでも行くよ。ありがとう…親父。』
その返事を聞き、親父は頭上高く手の届かない所にある真優の眠るカプセルから近くにあった空のカプセルに回線を変更し始めた。
俺は振り返り秋斗さんに頭を下げる。
『秋斗さん、今まで本当にありが……』
『止めろ!そんな言葉聞きたくない……………………必ず帰ってこい。』
俺の言葉をかき消すように秋斗さんがそう言った。