フェンス
隊長は研究室の中をグルグル歩き回りながら、ずっとケラケラ笑っている。

親父がログアウトを押せないだろうと高をくくっているようだ。

『頼むよ…親父…』

親父は震える手でマウスを掴むが…

『裕…私には出来ない…自分の息子と引き換えに世界を救って何になるんだ…?』

きっと俺も親父と同じ立場なら同じことを言うだろう…でもそれじゃみんなを救えない…

『親父…そんな事言っちゃダメだ。

親父は母さんを守らなきゃいけない。

秋斗さんは春斗を…春斗は彩花さんを…涼は真奈を…俺はみんなを…守らなきゃ…』

パシッ―…

突然、後ろから正気を取り戻した陣野が親父の腕を掴む。

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