フェンス

春斗は秋斗の元へ―…

研究所の中では状況がわからない沢山の子供達がキョロキョロしながら一生懸命状況を把握しようとしている。

『秋斗!』

春斗はちょうど装置から立ち上がった秋斗を見つけ飛びついた。

『春斗…』

『良かった…記憶も消えてないんだね。』

ホッとする春斗に秋斗は少しうつむきながら春斗が現実世界に帰ってからの事を全て話した。

『…そんなぁ…それじゃあ…裕は…』

言葉の途中で溢れ出す涙を秋斗は優しく拭い春斗に裕の言葉を伝える。

『裕がさ…俺たちにはずっと笑っていてほしいって言ってたんだ…だから…今日はまぁ…仕方ないけど…明日からは笑って過ごそうな。』

春斗が黙って頷くと秋斗はそっと春斗の頭を撫でた。

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