フェンス
『…香音さん、起きてる?』
秋斗は裕と春斗を起こさないように静かに香音に話かける。
『えぇ、まだこっちは夕方よ。』
『皮肉なもんだよな…こいつらが満身創痍になるまで走り回ったってそっちでは1日もたってねぇんだもんな…』
『そうね…』
『さっき裕の鞄に入ってる写真みたんだけど…写真にうつってる女の子って…人工知能兵器に使われる子だよな…』
『うん……』
『みんな大切な人達を守るために突然突きつけられたら現実に必死に立ち向かってんだな…』
トラックは大きなエンジン音を響かせながら暗い夜道を走り抜けていく。
それぞれの想いをのせて…