オバケの駐在所
その方向を追ってみると
餓鬼の連中に
ちやほやされながら
籐で編んだカゴの中で
幸せそうに眠っている
赤ん坊。

夢で見るより
ずっと赤子らしい。

「面倒見てくれて
ありがとうな。
はいよ、約束のポッキー。」

とお菓子を渡す警官。
いつもひもじそうにしてる
鬼どもには
うってつけって所か。

わしはそっと籠から
その子を持ち上げると
多少ぐずりだして
しまったが
しばらくすると
また気持ち良さそうに
眠りだすのだ。

小さな体だが
夢で見たような
大きな存在に
少し重みを
感じる気がする。

「あらぁ、ぬー様が
まるで父親のように……。
写真とりましょ写真!
人間が落としていった
デジカメで!」

……こいつはパパラッチか。

「この赤ん坊は
どーすんだ?
母親は亡くなってるし
異人だろう?
人間に育てられるのか?」
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