オバケの駐在所
「まぁ代わりに頼みを
聞いてくれるっつーなら
黒雲で送って
やらんでもないがな。」

「何、頼みって……?」

渋そうな顔をする男に
なんとなくまわりくどい
言い方で説明を
してしまう。

「プリンターを
貸してくれ。
……世界じょーせーを
俺もちょっとは
知っとこーかと思ってな。」

それで社会の事を
勉強できるかどーかは
どーでもいい話だが
濡れ女の手元から
奪ったデジカメの
画面を覗いてみると、
そこには玉のような
赤ん坊と
両手で守るように
赤子を抱いている
はつらつとした自分が
写っていた。
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