オバケの駐在所
……僕が行き着く先は
地獄じゃないよね?
閻魔様に舌を抜かれたり
しないかな。

だって僕は嘘をついた。
成仏すれば記憶なんて
無くなってしまう。
なら美姫ちゃんを
迎えになんて
行けないんじゃないか?

……せめて美姫ちゃんが
笹の短冊に願いを
書いてくれたら
いいんだけど。

そうすれば想いが
川の流れにのって、
もしかしたら約束を
思い出せるかも……なんて
ロマンチストすぎるか。

それに僕らの場合、
天の川じゃなくて三途の川。

逢瀬の晩がそんな所じゃ
七夕にしたって
きまりが悪いもの。
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