オバケの駐在所
私は昔から
好奇心が旺盛のわりに
怖がりで
どこへ行くのも
鴨の親子の様に
姉の後ろを
ついて回っていた。

そばにいれば安心できたし
知らない事は
親身に教えてもらい
時には困らせたり、
姉の存在に甘えっきりで
まるで子供な私。
16才になったこれからも
それは変わらないと
思っていた。

ずっとずっと
変わらないと……。

私はぐっと
唇に力をいれる。

「おばあちゃん、
何してるの?
こんな夜更けに。」

少し薄暗い歩道の木の下で
おばあちゃんは
にこやかに笑みを
浮かべていた。
そして
手をこまねきながら
伺う様に言う

「お嬢ちゃん、
桜が綺麗だろ?

ほら、
こっちに来て
一緒に見ようじゃないか。
1人じゃ寂しいだろう?」
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