空恋色
第四章~家族
空side

頭が上手く働かない。部屋に戻された今も玲香は泣いている。

私の病気が・・・・癌・・

お母さんやお父さんに何て言えばいいの?

分からない・・考えたくないッ!!

「玲香・・もぅ泣かないで・・」

「ごめんッ・・でも・・っ!!」

「目が腫れたら一弥が心配するよ?」
私のせいで2人が辛い思いをする。

「ねぇ・・玲香はさ・・私の家族知ってるよね?」

「・・うん。」

玲香の顔が暗くなる。

私の家族は・・玲香の家みたいに暖かくない。

お母さんは優しい。

でも・・

お父さんは私がどんなに頑張っても・・振り向きもしてくれない。

小学校低学年の頃、私はお父さんを気遣って差し入れをしたことがあった。

頑張って作ったおにぎりを食べてほしかった・・。

ガチャ―――

「パパ!おにぎり作ったの!食べてくれる??」

「後でにしてくれ。」

小さい子に大人の忙しさなんて分からない。

「でも、パパずっとお仕事してるよ?」

「・・早く出て行きなさい。」

「じゃぁここに置いとくからねっ!!」

バンッ――

机を強く叩いて・・・

「早く出ていけと言っているだろうッ!!!」








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