本当の恋に 気づいた日
特進クラスの生徒は、やっぱりレベルが高い。


日常会話で、


「この数式が……」


とか


「この定理が……」


とか言ってて、誰が可愛いか、なんてほとんど興味ないみたい。






――――――――ほんとに最高!



このクラスの生徒達は、顔なんて気にしない。


成績が良ければ顔なんてどうでもいいんだ。

どんなに可愛くたって、大学落ちたら終わりじゃん。

基本の中でもバカなほうなんて、栄秀では生きていけないんじゃないの?



って優越感を感じてた。…感じてたはずなのに…………っ!



「斉藤佳奈です。よろしくお願いします」


「斉藤って…もしかして斉藤美歩ちゃんのお姉さん?!あの子、双子いるって言ってたし…」


「…はい…」


「紹介して!紹介して!」


「あ、俺にも俺にも!」


……部活(文芸部)で自己紹介をしたら2年生の先輩方に、美歩のことばっかり聞かれた。

そっか。

この先輩方も確か、基本クラス。

基本クラスでは外見って、大事なんだね。全学年共通で。

あたしって、美歩の付属品みたいに思われてるのかな。

せっかく特進で、美歩への劣等感を克服できそうだったのに…。

一緒に入部して、あたしの美歩に対する気持ちを知っている優菜も心配そうな顔であたしを見てる。

やばい…涙が出そう……。



「……お前ら、女紹介してもらう前に勉強しないの?」


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