本当の恋に 気づいた日

しばらくの静寂。


そして、ぽつりとつぶやかれた言葉。




「………私、『貴方が華音の恋人になっても何ら問題は無い』って言ったけど……やっぱり…ダメ。……華音が好きだから、私の…私以外の恋人になって欲しくない…」




嗚呼、決意できたんだ。



……あたしがずっと醜く執着していた「恋人」の地位も、もう、簡単にこの人のモノになるんだ…。




「ごめんね…ごめんね…佳奈ちゃん…っ……ありがとう……」




………あたし、馬鹿だな…。


あたしがしたことは、好きな人があたし以外の人と結ばれるための手伝い。



……あたしだって、好きなのに……。



……佐藤風雅も、こんな気持ちであたしを応援してくれていたのかなぁ…。



嗚呼………



今、何でか解らないけど、無性にアンタに会いたいよ……風雅………