last love










「とにかく!橋本さんと萩原くん来なさい!」






榊原がまずあたしに近づいてあたしの右手を掴んだ。





「玲衣、頑張れよ」






こんな時に何を言うかと思いきや、


そんな言葉を残した景介は一瞬の内に逃走。






「あっこら!萩原くん!」







くそーあいつ…(笑)






取り敢えずあたしだけ

職員室に連れ込まれる事になり、

榊原は教室に戻って生徒に通知表を渡さないといけないため、

あたしは校長室で数学担当の新人教師、柳沢尚輝(ヤナギサワナオキ)になぜか説教されることになった。

こいつ(先生)はまだ若いし顔も中々だしノリいいし嫌いじゃない。






「ったくお前は。榊原先生毎回怒らしていい度胸だな」


「仕方ないじゃん」


「始業式も終業式も出ないからだろ」


「面倒くさかったんだもん」


「あー、いーのかなー?女の子がそんな事言ってー(笑)」


「ごめん、あたし男かも」


「あ、そう」






結局説教なんてあんまりされなくて、軽く注意されただけで気付けば30分2人で語っていた。






「もうみんな帰る時間だな」


「じゃあ、あたしも帰る」


「は?榊原先生来るまで待て」


「えーもうやだ飽きた!」


「ったく。だらしねー女の子だな」






そんな失礼なことを言われた時だった。






ガラッ






「柳沢先生すいません迷惑かけて…萩原くん確保したんでみっちり説教お願いしてもいいですか?」






あたしたちのいる校長室に入ってきたのは



榊原と
榊原に捕まえられて膨れている景介。






「ええ、いいですよ。橋本はもう帰しても?」


「あ、はい。橋本さんは帰していいです。じゃあ萩原くんをお願いします」






榊原は萩原を無理矢理校長室に押し込んでドアを閉めた。














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