なんでも屋 神…第二幕
「…やっぱり、マコか?」




にんまりと微笑むマコの手元には、木製のトレイに乗せられた三つのコーヒーカップが、薫り高そうに湯気をくゆらせていた。



「良し良し、良く気付いた。あんまり色っぽくなったから、気が付かないかと思ったよ。」



俺の知り合いだと思ったのだろう。呆然とする俺を後目に、一葉は慣れた手付きで脇に片付けられていた椅子を自分の横に並べ始めた。



「何処がだよ。女らしく無い外見は、昔から全然変わってないな。」



俺とマコの顔を交互に見つめる一葉。黒目を大きくして会話を聞き取ろうとするが、一向に付いて来れる気配は無い。
< 108 / 344 >

この作品をシェア

pagetop