なんでも屋 神…第二幕
「なんか神の奴、昔に戻ったみたいね。でも、昔程凍てついてない。もっと言えば、暖かささえ感じるようになってた…一葉ちゃんのお陰かもね。」



私の知らない神君…気になる。どんな人だったんだろう?私は優しい神君しか知らないんだよね…。



「昔はどんな感じだったんですか?」



瞳を眉と併せて弧を描かせ、悪戯な笑み…誰に聞かれて悪い話しでも無いのに、私に顔を近付けて小声でマコさんは話し出した。



「私と神は同い年でね、神の事は中学時代から知ってたのよ。まだあの頃は[cross]を作る前…何時も瞳を吊り上げていて、群から離れた狼みたいだった。まぁヒロが傍らに居る事も有ったから、例えは少し違うかもしれないけどね。」



突然私から視線を外したマコさんは、昔の思い出に浸るように、懐かしむ視線を窓の外に向けた。
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