なんでも屋 神…第二幕
文房具の問屋を営んでいる[渡辺商事]の事はこれ位にして、俺は三階の窓を拭きながら、向かいのビルの二階に視線を落とした。



同じ五階建てのビルでも、向こうは自社ビルと違い仮店舗。



借りているのは、二階のテナントと地下の駐車場数台分程。



ノリはと言えば、地下駐車場に車ごと乗り付けてその身を隠している。連絡手段はトランシーバーのみ。



マコは先程まで細やかな最終打ち合わせを済ませ、金城が訪れた後に芸能プロダクションのドアを叩く予定。此方の連絡手段は携帯。



容姿はマコなら其れほど問題では無いと思っていたが、女性のメイクには毎度の事ながら驚かされた。



普段はすっぴんに近いマコも、態態美容室に行って念入りにセットしてきた事も有り、その変貌ぶりには開いた口が塞がらず、隣に居たノリなど彫刻のように固まってしまった程だ。
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